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『 それはきっと夢のような 』



「もうすぐだね」
「もうすぐだなぁ」

もうすぐ、私たちはみんなフラスコで眠りにつく。
生まれてから今までいろんなことがあった。
飼い主がうれしそうに可愛いアイテムを買ってくれたり。
それを飾ったお部屋で記念撮影したり。
可愛い帽子やお洋服でおしゃれしたり。
イベントで飾られたパークをお散歩したり。
お友達とお茶会したり。


楽しいことばかりじゃなかった。
怪物の森で戦って痛い思いもした。
離脱できなくて怖い目にもあった。
仲良くしていた子がいなくなったりもした。
飼い主が来てくれない時期があって、
おなかがすいてつらくて、
通りすがりのリヴリーに助けてもらったこともあった。

いろんなことがあった。

それでも生まれてよかった。
出会えてよかった。
今ね、飼い主が泣いてるけど私たちは泣かないよ。
忘れられたりしないって、知ってるから。

「フラスコの中で寝てても夢の中とかで結局ふつうに遊んでそうだよな」
「わかる~たぶんそうなるよね」
「な~」

確信にも似た予感がする。
私たちはきっと、ずっと。



end.

​クラシックのサービス終了に際して書いたもの。

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